【ベルセット通りにて…】

様々な人々の行き交うエリオンの中で賑やかな所。
その外れの石垣に背の低い男がどっかり座っていた。

ジェドエ(…たく。毎日毎日、見回りなんざ堅っ苦しい。
こちとら治安を預かる警備してっからしゃあねぇがな。
しっかし、あのアマ。なにしてやがんだ?寝てんじゃねーだろうなぁ。)

見回りの時間だというのにメドロテーアが来なかった。
なのでイマジンを迎えに行かせたのだが、彼も戻ってこない。

30分…
我慢の限界。ジェドエは石垣から力いっぱい込めて地に足をついた。
それと同時に、目先のブティック店から少女がとび出て来た。

メドロテーア「なにトロトロしてんのよ!さっさと次、行くわよ!!」
その少女は店に向かって誰かに怒鳴りかかっていた。

ジェドエ「メドロテーア!テメ、なに勤務中にショッピングしてやがんだ!!」
メドロテーア「べっつにいーじゃん。最近お休み少ないからお洋服も買えないんだもん。」
ジェドエ「買い物依存症か!?んなもんは仕事の後にしろ!!」
メドロテーア「やーだ!限定なんだもん。無くなっちゃう。」

イマジン「メドロテーア、次、ドコだ?」
ジェドエ「!??」
両手いっぱいに荷物を抱えるイマジンがフラフラやって来た。
イマジン「あ、ジェドエ、俺、連れてきたぞ。」
ジェドエ「馬鹿!呼びに行って女の荷物持ちについていく奴がいるか!!」
イマジン「だってメドロテーア、荷物、重そうだったから。」
悲しそうだ。…情けない。
メドロテーア「キャー!ヤダ、早くしないと限定10個の香水カノンが無くなっちゃう〜!!」
ジェドエ「おい、まだ買うきかよ!?減給されても知らねーからなッ!!」
メドロテーア「べー!いいもん。イマジンに買ってもらうからー。」

ジェドエ(こンの金食い女……。)

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